「予算オーバー」はこうして防ぐ
家づくりでは、最初に描いていた予算をオーバーするケースが多いことも事実です。
純粋に家を建てるお金だけでなく、ローンの支払い・保険料・税金・登記代・引っ越し費用、その他もろもろの出費が伴います。作業の効率を阻害する予期せぬ要因もあります。
計画から入居後までのそれぞれの段階で、どんな経費が発生するのか。最初からすべてを把握することは難しいのは事実ですが、見落としやすい項目をしっかりチェックしておきましょう。
「住宅取得税と固定資産税がこんなにかかるとは知らなかった」
「仮住まいや引っ越しの費用がかさみすぎた」
「設備費用がかさんで、外構工事にお金を回せなくなった」
「地鎮祭や上棟式の費用は計算に入れてなかった」
こうした計算外の費用は大きな負担となります。
また、行うべき事前の調査や説明を怠ったり、意図的に見積りの中身を曖昧にしたりするような業者の場合には、次のような失敗やトラブルを招きかねません。
「工事直前になって地盤が軟弱なことがわかった。地盤補強や基礎に予想外の出費が発生した」
「建築確認の申請の際、素材の変更を求められて割高になった」
「見積りに含まれていない多額の別途請求書が届いた」
「プラン修正のタイミングが遅すぎて予算がふくらんでしまった」
「周辺の道路が狭くて作業効率が下がり、その分、人件費が高くなった」
こうして見てくると、家づくりは一種、ハプニングの連続と映るかもしれません。
こうしたことから、現場の人間との打ち合わせはきわめて大事だといえます。設計プランの立案だけでなく、資金計画についても最初の段階からプロの視点で検討してもらうべきでしょう。
ここで改めて、資金オーバーを回避するための注意点を整理しておきます。
1. 見積りに含まれている項目と含まれていない項目を明らかにする。
2. 敷地や地盤の環境を把握したうえでプランを検討する。
3. コストの調整が可能な工事・素材・設備を把握する。
4. 建築工事以外の経費をリストアップする。
5. 生活資金も含め、入居後に必要なコストもあらかじめ確保しておく。
以上を踏まえ、見積もりを検討するときは、「慎重に、そしてトコトン」ということを心に刻んでおきましょう。