「坪単価」「本体価格」からわかること

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新聞広告や折り込みチラシには、価格の目安として「坪単価」や「本体価格」という表示が出ています。

 

「坪単価」とは、完成した建物の値段である「本体価格」を、坪数(一坪3.3・)で割った値段のことです。この数字だけを見ると、グレードや設備など、数字に見合った建物のランクがありそうです。また、割高か割安かは歴然としているように見えます。

 

しかし、この数字は、もう少し詳しく見る必要があります。

 

まず、「本体価格」だけで実際に住める家が建つわけではありません。

 

「本体価格」は、あくまでも敷地に本体を建てただけの値段を意味します。このほかに、水道・ガスの本管接続、門扉、塀、駐車スペースなどの工事費用、また、建て替えの際の解体費用などが発生しますが、これは敷地によって環境や条件が異なるので、一般的に「本体価格」として示される建築費には含まれていません。

 

注意すべきは、業者によって「本体価格」に含めたり含めなかったりする項目があるということです。たとえば、照明器具、冷暖房、電話などにかかるような費用です。

 

そのために、家を建てるため最低限必要な経費について、多少面倒でも項目をチェックしておいたほうがよいでしょう。ざっと並べると、次のようになります。

 

・建築費 ・別途工事(照明・電話・水道・冷暖房・アンテナetc.) ・解体費用(建て替えの場合) ・設計管理料 ・測量 ・門と塀 ・造園 ・カーテン類 ・家具・備品 ・祭事(地鎮祭・上棟式)・引っ越し(建て替えなら二回)・登記 ・消費税。

 

これにローンを利用するなら、手数料や保証料も必要になります。それから、不動産取得税、毎年支払う固定資産税・都市計画税も加わります。

 

以上を見れば、単純に表示された「坪単価」や「本体価格」だけで建てたい家の総費用を概算することには、かなり無理があることがわかります。

 

具体的にどんな経費が発生し、それぞれいくらかかるかを見極めることは、一般の方ではなかなか難しい面があります。もし本当に比較対照するのであれば、業者にその算出方法や項目をすべて明らかにしてもらう必要があります。さらに、いろいろな仕様の内容や素材についても聞いておきたいところです。

 

参考までに、おおよその費用の割合は次のようになります。

 

〔75%(本体工事)+20%(別途工事+設計料)+5%(諸費用)=総費用〕