カーペット・タイルカーペットのメンテナンス

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カーペットの汚れの原因は、85~95%が外部から持ち込まれた土や砂などの乾いた汚れで、残りの5~15%が油性の汚れです。この油性の汚れが乾いた汚れをカーペットに吸着させるので、どちらも一緒に落とすことが肝心です。インクやコーヒーなどの落としにくい汚れを付けてしまった場合は、できるだけ早くしみ取り作業を行います。

 

1)汚れを掻き出せる機能が付いたヘッドの掃除機などで、開口部などから侵入する土砂を取ります。

 

2)洗浄液を塗布し、柔らかい布たわしなどでこすります。

 

3)濡れているうちにブラシで目立てをし、乾燥しやすくする。そして十分に乾燥させます。

 

1)ゴム手袋を着用し、使用する洗剤によってカーペットが変色しないかを目立たない部分でテストします。

 

2)しみ取り剤を10~15cm離したところから、適量を散布し、しみを湿らせます。湿らせすぎに注意します。

 

3)ヘラで軽くしみ取り剤をなじませ、約1分放置します。

 

4)ヘラで汚れを掻き取ります。

 

5)白い吸収性のよい布やペーパータオルをしみの上にのせ、上からブラシで軽くたたきながら汚れを吸い取ります。しみを除去できるまで、1~5の作業を繰り返します。

 

6)しみを除去した周辺部に適量の水を散布します(すすぎ=洗剤の除去)。乾いた布で上から軽く押さえ、汚れや水分を吸い取ります。このすすぎを数回繰り返します。

 

7)ブラシなどでパイルを起毛させて乾燥させます。

 

できるハウスクリーニング業者は、始めに必ず掃除機を使います。どの部位においても、掃除機を丁寧にかけてから掃除に取りかかります。簡単で当然のことのようですが、家庭では以外とできていません。

 

たとえば、網戸の掃除をする場合にそのまま水を流してこすって、ほこりを取らずに洗うと乾いたときに網にほこりがだまになって残ってしまいます。また、壁も掃除機でほこりを取り除くとよいでしょう。そのまま拭くとほこりが壁に定着するばかりです。

 

掃除機を床掃除だけに使用するのは、その用途の半分も使いこなせていないことです。まず身近にある掃除機を丁寧にかける、これがハウスクリーニングの極意かもしれません。

 

 

カーペットは製造方法や使用繊維ごとに種類が分けられます。最も一般的なものがタフテッドと呼ばれるタイプで、基布(第一、第二)、ラテックス、パイル糸によって構成されます。

 

第一基布は、パイル糸を固定させ、第二基布は裏面に貼り付けられた布で張りをもたせる役割があります。このほか、手織りの緞通(だんつう)や機械織りのウィルトン、不織布のニードルパンチなどといった種類もあります。

 

水を使用したクリーニング(ウェットクリーニング)によって、カーペットが伸び縮みすることがあります。これはカーペット表面の糸(パイル)ではなく、基布の収縮が原因です。基布が天然素材ならば、なおさら注意が必要になります。

 

タフテッドの場合、第一基布と第二基布の間にラテックス(ゴム)があるため、洗剤などの水分は、天然素材である黄麻(ジュート)が主に使われた第二基布へ浸透しにくいのが特徴です。しかし、緞通やウイルトンのような織りカーペットの場合、タフテッドの基布にあたる部分が天然の糸で構成されているため、洗剤や洗浄汚水が下まで浸透し、伸び縮みの危険性も高くなります。

 

黄麻(ジュート)や繊維素の褐色化は、洗浄したり多量の水を使用した後の乾燥を怠った場合や、黄麻の濡れすぎによって起こります。黄麻の裏地から天然の褐色色素がカーペット表面に褐色がかったしみをつくります。色素はpHが高いほど(強アルカリであるほど)溶けやすく、pHの高い洗浄剤を使うと褐色化が起こりやすくなります。

 

褐色化現象を起こしやすいカーペットには織りカーペットや第一基布に黄麻を使ったタフテッドなどがありますが、褐色化を起こしてしまったら修正は非常に困難であるため、注意が必要です。褐色化の対策としては、

 

1)水はできる限り使用しない

 

2)乾燥は扇風機などを使って短時間に行う

 

3)pHの高い洗剤を使用しない

 

といった点に注意して下さい。