ムクフローリングのメンテナンス

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ムクフローリングには、通常の化学床用仕上げ剤や床用洗剤は使用せず、洗浄とワックスがけが同時にできるフローリング用の油性ワックス(または、汚れ落としと艶出しが同時にできる市販のフロアケア剤)を使用します。油性ワックスは粘度が低い半透明な液体で、磨くことでより鮮明な光沢が得られます。また、冬季でも流動性を失わないものもあり、年間を通して作業しやすく、乾くとほぼ無色透明の被膜となり、清掃後の被膜を保護し、耐スリップ性にも優れています。

 

1)ほうきやシート状モップで床のほこりやごみを掃きます。2)使用前にワックス容器をよく振り、内容液を均一に再分散させます。3)モップまたはアプリケーター(ワックス塗布用のT字型モップ)で油性ワックスを薄く均一に塗布し、乾燥させます。4)ブラシまたはパッドを装着したポリッシャーでバフィング(磨き)を行います。5)必要に応じて塗り重ねを行い、乾燥後に磨きます。

 

1)ダストモップで床のほこりやごみを掃きます。
2)光沢を復元するため、適宜、ポリッシャーによるバフィングを行います。ポリッシャーがない場合には、固めに絞った雑巾で拭き取ります。
3)汚れの目立つ場所は、油性ワックスを塗り、乾かないうちにモップでこすりながら汚れを拭き取ります。

 

油性ワックスを塗布した直後の床面は非常に滑りやすいので、作業を行う際には十分注意をする必要があります(ただし、ワックスが乾燥すれば滑りやすいということはありません)。光沢が低下したり、滑りやすくなったと感じたときは、ワックス被膜が摩耗したサインです。この状態のときに汚れが付着しやすくなるため、早めに油性ワックスの補修塗りとポリッシャーを用いたバフィングによる再仕上げを行うとよいでしょう。こまめにワックスがけを行うことは大切ですが、汚れを除去せずワックスをかけたり半乾きで歩いたりすると、汚れが付着し、落ちにくくなるので注意が必要です。正しい方法でなければ、汚れ止めではなく汚れを定着させることになってしまいます。

 

油性ワックスは、低温で長時間放置した場合、流動性が著しく低下することがあります。寒冷時には、使用に先立って半日以上(15℃~25℃)の室内に置いて清浄な流動性をもつ状態にしてから使用します。油性ワックスが塗装面や金属面に付着した場合には、速やかに灯油などの溶剤を含ませた布で拭き取ります。また、衣服などに付着した場合には、衣服の裏や端などでしみにならないことを確認してから、速やかに灯油などの溶剤を含ませた布で吸い取り、乾燥させます(衣服への影響が考えられる場合は速やかにクリーニングへ出す)。なお、塗布に使用した器具類は、アルカリ性の洗剤を用いて洗浄します。40℃前後の温水を使用すると最も効果的です。

 

住宅の居間や廊下などで通常使われるフローリングは、ムク材の表面にポリウレタン樹脂系塗料を塗布したものが多く見受けられます。すでにポリウレタン樹脂系塗料により加工されているフローリング床材の塗料部分を除去し、新たにポリウレタン樹脂系塗料を塗布する場合や、ムク床材に新規でポリウレタン樹脂系により加工する場合などの方法を解説します。

 

1)古い被膜がある場合、#60程度の粗めのサンダーで除去し、#80~100のサンダーで仕上げます。また、新規の場合は#20~60のサンダーで順次に床面を滑らかにし、#80~100のサンダーで仕上げます。

 

2)ほこり、削り粉を掃除機で除去します。サンディング後の削り粉は、そのままポリ袋などに入れると自然発火する恐れがあるので、必ず十分に水をかけて湿らせた状態にしてから袋に入れ、密封して処分します。

 

3)ポリウレタン樹脂系塗料をアプリケーターで均一に塗布します(1回目)。塗料の硬化・乾燥までにはおおむね、6時間程度を要します。

 

4)塗料が硬化・乾燥したことを確認し、#100のサンダーでサンディングする。塗料の硬化・乾燥が不十分な場合は、サンディングの際にサンダーに塗料が絡みつくのが目安となります。

 

5)削り粉を除去した後、2回目の塗布を行います。

 

6)塗料が硬化・乾燥したことを確認した後、#120のサンダーをかけて床面を平滑にし、削り粉を除去して3回目の塗布をして仕上げます。塗料が完全に硬化・乾燥までには、さらに6時間以上必要となります。